民俗学から見るハロウィンの歴史


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http://machi-photo.net/detail/photoId/251/

世は一触、ハロウィンムード。
100均に行けばコスプレ用品、お菓子もゲームもハロウィンイベントばかり…。
「日本もハロウィンにそまっちまったな。西洋かぶれだよな…」
と、眉をひそめるかたがたもいらっしゃるでしょう。

「なんか発砲事件とかあったみたいただし、なんかアメリカのほうだと事件も色々起きてるんでしょ?」
「悪魔崇拝の祭なんでしょ?自粛するべきだよ」
「アメリカかぶれで日本もダサい…」
とか色々言われてるようですが…。

うるせえな
ハロウィンは列記と由緒のある楽しい楽しい祭なんだよ。



■ハロウィンとは

さてさて。
まずハロウィーン「Halloween」とは何でしょう?
いろんな辞書を引くと「古代ケルト人の祭」などとかかれています。

では、ケルトとはどこでしょう?
現在、ケルトと言う国は存在しません。
ケルトというのは「民族」とあらわせます。

そして…これが一番厄介なんですが、
ケルト人は文字を持ちませんでした。
ひたすら口伝で、後述するケルト神話などを語り伝えていたのです。



■ハロウィンとサムハイン

Halloweenはハロウィーン、もともとは「All Hallow's Even」(諸聖人の祝日の前夜)と言います。
Hallow'sは古い英語、で「聖人」みたいな意味があるそうです。Holyと同じ語源みたいです。

「ハロウィンはサムハインを祝う祭」
と言う文面を、どこかで見ました。
「サムハインと言う死の神が…」みたいなことがここに書いてあったので、そこをすごく調べたんですが、
結論から言うとサムハインと言う神は存在しません。
ケルト神話は大体全部目を通しましたが、そんな神は存在しないのです。
あとここのページ、ハロウィン関係の本数十冊読み漁った私は今ならわかるけど
書いてあること大体全部間違ってるから信じちゃダメだよ。

さて、話を戻して…。
サムハインとは何でしょう?

くろす

サムハインとは「季節」のコトなのです。
サムハインは長く続いた収穫の季節が終わり、
たくさん取れた作物を祝い、これからやってくる冬に備えるという「収穫祭」の意味を成していたのです。
まぁ、冬の神としての「サムハイン」は擬人化的存在としていたかもしれないけどさ…。


そして、この日は「あの世とこの世の門が開く日」とも言われていました。
ケルト的な意味で言えば「妖精や、妖怪の力が強まる日」。
この夜に出歩くと妖精にさらわれて、二度と帰ってはこられない。
みたいなケルト民話が数多くあります。

「あの世とこの世の門が開く日」…すなわち、「死んだ人が帰ってくる日」…。
日本で言う「お盆」ですね。
この風習は南アメリカのほうにめっちゃ残ってます。
死霊祭(レムリア)、祖先祭(バレンタリア)、死者の祭(フエラリア)。
そして死者の日(デイアス・デ・ロス・ムエルトス)。
これはメキシコのビール「デイオブザデッド」にも見ることが出来ます。

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http://lead-off-japan.vino.sub.jp/?eid=116
かわいいよねこれ。骸骨の花嫁さん。
意外かもしれないけど、このビールのルーツはハロウィンと一緒です。

メキシコのほうの「死者の日」では、
「若くしてなくなった子供は10月29日に、暴力によって殺された人間は10月31日に、そして安らかな死を迎えた人間は10月31日に戻ってくる…」
みたいな言い伝えもあるみたいです。(日時、内容はその土地によって変わったりする)

たぶん、この二つが組み合わさって「悪霊がうろうろしてる日」と言う伝承が生まれたのでしょう。
キリスト教は、「土着の伝承の神とか妖精とか妖怪って全部悪魔だよ」みたいな風潮ありますから。
ハロウィンに仮装するのは、「悪霊に連れて行かれないため、自分自身が仮装して悪霊を騙す」みたいな意味があるそうです。


■キリスト教とサムハイン祭

ヨーロッパの歴史、民俗学、伝承を調べると必ずやって来る。奴がきます。
「キリスト教」です。
ハロウィンの語源、「All Hallow's Even」(諸聖人の祝日の前夜)からピンと来る人もいるでしょう。
11月1日は諸聖人の祝日、万聖節なのです。
その前の日、前夜祭として採用されたのが10月31日のサムハイン祭、ハロウィンなのです。

キリスト教としては、土着の神様や宗教なんて敵以外の何者でもないのです。
ですが、10月31日のサムハインの収穫祭をガン無視してやめろ!!と頭ごなしに禁止するわけには行きませんでした。
それだけ、その土地の人間にとっては大切で、なおかつ盛り上がっていたお祭だったからです。
収穫祭だもんね。楽しいもん。
故に、「万聖節の前夜祭」として10月31日を設定し、
徐々に、徐々に、徐々に「ケルトの収穫祭としての機能」を消していったのでした。
もはや、現在のハロウィンには「夏の収穫に感謝する祭、冬がやってくる準備、収穫祭」としての機能はどこにも残っていません。


■トリックオアトリート!

さて、ハロウィンのバカ騒ぎはどこから来たのでしょう?
それは「ガイ・フォークスデー」に起因すると考えられています。

1605年、政治に不満を持っていた一団が、
国会開会式に出席する国王と議員をまとめて爆殺しようと、国会議事堂に爆薬を仕掛けた事件がありました。
しかし、これは実行寸前に阻止されました。
実行犯の名前がガイ・フォークスさん。
翌年、議会は「やった!大勢の死者が出なくてすんだ!神に救済を感謝しようぜ!」
という事で11月5日を休日にしたと言います。

この事件を記念するため、
わらや布くずで「ガイ・フォークス」と呼ぶ人形を作って、子供たちは町中を一日中引き回し、
「A penny for the Guy!」といいながら、夜に打ち上げる花火の資金を集めたといいます。

…さて。
厳密には「トリックオアトリート」がいつ始まったのか?についてはわかっていません。
ですが、このガイ・フォークス・デーの習慣がハロウィンに取り込まれたのは間違いないでしょう。
時期も近いし。


■仮装文化、コスプレ文化

10月31日は、アメリカ、日本ではコスプレ文化が盛んですね。
魔女、フランケンシュタイン、おばけに始まって最近はパイレーツオブカリビアン、アナと雪の女王、スパダーマンなんてものも。

えーと。
ここらへんは私が興味ないから適当に誰か調べてください。


■まとめ

ハロウィンは繁栄と衰退を繰り返しながら、実に有史以前から存在する祭だったりします。
一応れっきっとしたお祭なのですよ。
だから、「アメリカかぶれのクソ祭」なんてあんまり思わないで欲しいなー。


ケルトを発祥とし、海を渡り、様々な国で要素を追加したり、捨てたりしながら、
様々な人間を魅了し、喜ばれ、問題を起こし、たまに死者とか出しちゃったりして、
「危ないからやめろ」「悪魔崇拝だ」「いみわかんねえ」といろんな宗教からバシバシたたかれながら、
ゴキブリのごとくしぶとく続いているお祭なのです。
原義がもう残っていないにせよ、民俗学観点からはものすごく面白いものがあります。
ここまで原義が残ってない祭事も珍しいし、いろんなところで祝われ、そして続いている。
それだけこの「ハロウィン」という祭には魅力があるのでしょう。

多少流行があったり、ブームがあるかもしれませんが、
ハロウィンはこれからもずっと続いていく祭の1つでしょう。




■参考文献
ハロウィーンの文化誌/リサ・モートン
ヨーロッパ祝祭日の謎を解く/アンソニー・F.アヴェニ
ケルトを旅する52章―イギリス・アイルランド/永田喜文
ケルト文化事典/ジャンマルカル
図解 ケルト神話 (F-Files No.044)/池上良太
ケルト―生きている神話/フランクディレイニー
悪魔事典 (Truth In Fantasy事典シリーズ)/山北篤
イギリス祭事カレンダー―歴史の今を歩く/宮北惠子,平林美都子
ヨーロッパの祭りたち/浜本隆志,柏木治
中世の祝祭―伝説・神話・起源/フィリップヴァルテール
図説 ケルトの歴史―文化・美術・神話をよむ/鶴岡真弓、村松一男
すぐわかるヨーロッパの装飾文様/鶴岡真弓



もっと知ってることいっぱいあるんだけど、調べた量が多すぎて上手くまとめられなかった…悔しい
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ハロウィンとにているお祭りもありますよね、
マスカレイド、だっけ?よくレイピア技の名前になっている奴。
これは長い禁欲の期間が始まる前の日に、仮面つけて酒のんでせっk……はめをはずして騒ごうぜ!!って言う祭なのですが、ハロウィンと起源が大体同じとか言う話を聞き齧った気がします。
日本人の節操の無いところは、ハロウィンだろうとクリスマスだろうと正月だろうとにゃんにゃん祭な事ですよ!!
にゃんにゃん!!

No title

>>無言さん

マスカレイドー!ヴェネチアの仮面祭もハロウィンに似ていますよねー!仮装して無礼講!的なところ。
え、仮面つけて酒飲んでセは初めて聞きました。私も混ざりたいな!!
いつかハロウィンも性なる夜になる未来が来るというのか…クッ
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